訪問看護ステーションにおけるポケットエコー活用の可能性
- コバヤシ
- 4月4日
- 読了時間: 3分

近年、訪問看護の現場でポケットエコー(携帯型超音波診断装置)の活用が注目されています。ポケットエコーは、従来の大型エコー装置に比べてコンパクトで持ち運びが容易であり、訪問看護の現場において診断ではなく、看護アセスメントのツールとしてその可能性を広げています。
ポケットエコーのメリット
リアルタイムな状態把握
ポケットエコーを使用することで、患者の状態を視覚的に把握できるため、アセスメントの質が向上します。
たとえば、尿意に問題を抱える高齢者に対して残尿量を確認することで、より正確な判断が可能になります。これにより、適切なトイレ指導や排尿管理が行えるようになり、生活の質(QOL)の改善にもつながります。
患者やご家族とのコミュニケーションの改善
エコー画像を見せることで、患者ご本人が自身の状態を理解しやすくなり、納得感を得られます。これにより、セルフケア意識が高まり、治療への協力も得やすくなります。ご家族への説明もスムーズになり、信頼関係の構築に寄与します。
多職種との連携強化
エコー画像を活用することで、スタッフ間や医師、他の医療従事者との情報共有が円滑になり、チーム医療の質が向上します。画像情報をもとに明確なコミュニケーションが図れることで、治療方針に一貫性が生まれ、より効果的なケアが可能となります。
訪問看護ステーションへの導入のポイント
看護師の研修とスキル向上
ポケットエコーを効果的に活用するには、看護師が基本的な操作や画像の読み取りについて習得している必要があります。最近では、看護師養成課程でポケットエコーの使用がカリキュラムに取り入れられている例も増えてきました。
検査として構えるのではなく、バイタルチェックの延長として、気軽に使える環境作りが重要です。
医療機関との連携強化
取得した画像を医師が適切に評価・診断できる体制の構築も重要です。テレメディシン(遠隔診療)と連携することで、より効果的な診療支援が可能になります。
費用対効果の検討
ポケットエコーの導入には一定のコストがかかりますが、アセスメントの向上や患者の負担軽減を考えると十分な導入メリットがあります。訪問看護ステーションが乱立する中で医師や患者から信頼を得るようなサービスを提供することは他の事業所との差別化に繋がります。
まとめ
ポケットエコーは、訪問看護ステーションにとって非常に有用なツールです。リアルタイムでの状態把握や迅速な判断が可能となることで、医療の質向上に寄与し、他ステーションとの差別化にも貢献します。一方で、導入にはスタッフの技術習得や、「気軽に使える」意識への転換といった課題もあります。
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今後ますます普及が進むことが期待されるポケットエコー、ぜひ御施設でも導入をご検討ください。
